授業紹介
主な授業科目の紹介
家政教育コースには以下の6つの分野の授業があります。家政教育コースの学生は小学校教員免許に必要な科目に加え、中高家庭科教員免許に必要な専門科目を学びます。中学家庭科教員免許取得に必要な専門科目と高校家庭科教員免許取得に必要な専門科目は同じです。
そのほか、アンケート調査に必要な知識を学ぶ生活調査研究法、各ゼミの指導教員のもと専門的な内容を深く学ぶ家庭科基礎演習など幅広い授業が多く開講されています。
卒業研究ができる(教員の指導のもとで学ぶことができる)分野は、家庭科教育学、被服学、保育学、食物学の4つです。
家庭科を構成する6つの分野
家庭科教育学分野
中等家庭科教育法Ⅰ
家庭科成立の歴史的経緯や教育的意義を理解し、教科観を持つこと、家庭科の教科特性や学習課題、学習指導要領における目標・内容等の基本的事項を理解すること、家庭科の学習方法や教材研究について理解し、学習指導計画をたてることができるようにすること、を授業の到達目標として、中学校の家庭科を教えるための基礎がためをします。
初等家庭科教育法
小学校の家庭科が果たす教育的役割を理解するとともに生活課題に対する意識をたかめること、小学校家庭科に置いて扱う学習内容を理解するとともに、授業に必要な技能を習得すること、子どもの実態を踏まえた授業を構成し、提案することができること、を目標とした授業です。
その他の科目
- 中等家庭科教育法Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
- 家庭科教育学演習
- 小学校教科内容(家庭)
被服学分野
被服学Ⅰ、Ⅱ
被服の成り立ちとその性質に関する基礎知識を習得し、被服の持つ様々な機能を正しく理解したうえで、現代社会における衣生活の課題について考える力を育成します。和服についても取り上げています。
被服製作実習Ⅰ、Ⅱ
ショートパンツや小物づくり、不要衣服のリフォームなど、いろいろな作品作りを通して縫製の基礎技術と理論を学び、被服分野における製作実習の指導力を身につけます。
その他の科目
- 被服製作実習Ⅲ
- 被服学実験
食物学分野
食物学Ⅰ(栄養学および食品学を含む)
日常生活における健康の保持および増進に関わる栄養素の役割、代謝と生理的意義を正しく理解し、日常摂取する食品の性質と食品衛生の基礎的知識を習得することで現代の食生活における課題を正しく把握できるように学びます。
食物学Ⅱ、食物学Ⅲ
食物学Ⅰの内容をさらに深めるほか、肉類や野菜類など、基本的な食品そのものの特徴と調理特性、さらに食中毒や食品表示、食物アレルギーといった食品衛生(食品の安全性)についての基礎知識を概説し、食品に対する興味関心を高められるよう知識を習得します。
その他の科目
- 調理学実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
- 食物学実験Ⅰ
住居学分野
住居学I
日常生活とのかかわりから住まいをとらえ、今日的な課題について将来的な変容を見据えて検討できるよう解説する。また、自分自身の生活のなかに課題をみいだし、教材づくりにつなげられるよう、演習・ディスカッションを含めて内容を展開しています。
住居学実習
空間を表現する際に知っておくべき決まり事について、トレースの始まる初歩的課題から立体表現に至るまでを食空間の設計を通して展開します。
保育学分野
保育学I
乳幼児を中心に、こどもの心身の成長・発達の特長とそれらの発達課題や生活の在りようについて概説します。また生育環境としての家庭や家族の在り方、社会のこどもを育てるシステムやその歴史についても理解を深めます。
家族関係学
現代社会における家族の成り立ちやその役割などについて概説します。また現代家族を取り巻く様々な事象なども取り上げ、それらから家族についてのより深い知識と意識の醸造ができるようにします。
その他の科目
- 保育学II
- 保育学実習(家庭看護を含む)
生活経営学分野
生活経営学(家庭経済学を含む)
生活者としての自立と共同・共生に対応し得る能力を形成し、さまざまな生活の事象を全体との関連のなかで総合的に考察する視点をもつことを目標に、個人・家庭・地域・社会の生活領域別に事例を適宜紹介しながら、生活経営を理論的・実証的に把握・検討します。
生活研究論
生活とは何かを考え、生活をとらえてきた学問「家政学」との関わりにおいて生活研究の意義を理解する。生活を、今日の生活が構築されてきた背景、将来的に予測されている変容を含んで、批判的思考に基いて主体的、かつ具体的にキャッチする姿勢を養います。
その他の科目
- 生活調査研究法
その他
- 家庭科基礎演習
- 家庭科発展演習Ⅰ・Ⅱ
実習紹介(大学生の感想から)
被服構成実習
この授業はミシンや裁縫道具の使い方などの基礎的な学習から始まり、シャツやパンツの製作を通して実践的な技術を習得できます。この授業を受けたほとんどの学生は洋服を作ったことがありませんでしたが、分かりやすい教材と指導のおかげで楽しく製作できました。シャツ、スカート、ズボン等を自分自身で数時間かけて製作することで、1つの衣服を製作することの大変さを実感し、1つ1つの衣服を大切に着用しようという気持ちが強くなりました。教員を目指す人にとっては教員採用試験で出題される被服製作に関する知識をほぼカバーできる頼もしい授業内容でした。
保育学実習
この授業では、実際に保育所や幼稚園で子どもたちと触れ合ったり、子育て支援センターに行き、自分たちで考えた遊びや劇を発表したりする中で、乳幼児期の子どもの発達や保育の重要性を学べる授業です。また、講義においても育児を積極的に行っているお父さんや看護師の方にゲストティーチャーとして来ていただき、父親の育児参加についてや応急処置の仕方、AEDの使用方法などを「生の声」を通して学ぶことができました。実践的な授業の中で、学校現場において生徒たちに保育をどのように教えていくか考えるきっかけとなりました。
調理学実習
この授業は、学生自身で食材を調達し毎回3~4品の献立を2・3人の班メンバーと協力しながら調理する授業です。高校の調理実習とは違い、調理学実習は90分×2(180分)あるため、1回の授業で複数品目の献立(和食・洋食・中華等)を調理できます。また、授業内で手作りと市販品との比較を行うことで、手作りの重要性を理解することができます。さらに、リスク管理・時間管理を徹底しながら調理実習に取組むことで、家庭科の教員になった時、教員採用試験で実技が課される時に自信を持って調理実習の授業に挑むことができると思います。